2014-2015 CL-16round RealMadrid vs Schalke
前半
1分 ベンゼマらの中央でのボール奪取からカウンターを仕掛けるもあわず
2分 ヘーガーからのカウンターはクロスが合わないものの完璧にマークのずれが
2分 フーカへの1本のパスでミドルサードからアタッキングサードへ 守備が緩い
3分4 フーカのインターセプトは見事、つながらず
4分5 真ん中でベンゼマが持ち簡単に割られかける
5分 RMのコーナーからカウンターここも緩い理由
7分 ロナウドが右スペースでもらいベイルのパスもシャットダウン
8分 ロナウドの抜け出しからアルベロアのパスはつながらないが見事
9分 RMのCKからカウンターを左から行うもチュポのシュートはミートせず
11分 しっかりと守ったシャルケはカウンターもオフサイド おしい
12分 フーカからフンテラールへの何気ないパスをカットできない部分がとても緩い
13分 アルベロアからベンゼマへのパスでチャンスになりかけるもクロスはさせず
17分 セカンドボールをマイヤーが広いミドルシュート、ヴァランのミスか?
19分 安易なルーズボールからフンテラールの完璧なスルーでフーカゴール 0-1(2-1)
22分 フンテラールの落としからマイアーのシュートはケディラがブロック
24分 ロナウドのCKからのゴール、威力もコースも完璧 エース 1-1(3-1)
26分 ペペ、アルベロア間をフーカがサイドインターセプトを狙う
27分 ロナウドのチェイスでボールを奪取もベイルのクロスはチープ
28分 右サイドでRMは崩すもケディラのクロスは合わず、受けてが合わせるべき?
29分 チュポモティングOUTサネIN
変わらず5-3-2
30分 ロナウドイエロー プレミア仕込みのタックル
32分 ベンゼマ必死のキープも囲まれて奪取される
33分 ロナウドの右からの持ち込みによって中央にスペースができるもイスコ遅れる
34分 ベイル少し浮いたところにクロースからのパス、シュートするもミートせず
35分 ナスタシッチのミスから左にロナウドが呼び込むもミートせず
36分 ヴァランの持ち上がりはいいがパスの精度がもう少しあれば完璧なシーン
38分 ヴァランのバックパスをフンテラールが盗むもゴールならず
38分 クロースはロナウドの動きだしを完璧に見えていたがわずかに合わず
39分 バー直撃のフンテラール 全てのRMのプレーヤーのインテンシティが足りない
39分 またも安易な守りでフンテラールが押し込み 1-2(3-2)
41分 ヘーガーからのフーカへの完璧なロングパス。ケディラ必死に戻るの確認
43分 イスコのワンタッチ、ベンゼマへのチャンスメイクももう一つ
45分 マティブのマークミスからロナウドのゴール、非常にもったいない
後半
45分 立ち上がり、コエントランのミス?でバメッタがクロスからのシュートも正面
46分 中盤でのサネの持ち上がりに対してノープレッシャー
47分 中盤でのベイルの持ち上がりをしっかりケアしたシャルケ陣ナイス囲い込み
48分 CKのボールをシャルケGKこぼすもチャージ判定 謎
49分 レアルマドリードは比較的スペースのあるカウンターがでるも合わず
52分 ロナウド、ベンゼマにつられたスペースをコエントランが巧みに使う
53分 ベンゼマの冷静なゴールで3-2(5-2)
54分 コエントラン肩をつかみイエロー 少々厳しい判定
55分 イスコがロングプレッシャーをかけるもそれ以外のDFライン無視
55分 コエントランのタックルミスもペペのナイスカバー
56分 サネの完璧なシュートもコエントランの明らかなポジションミス。。。
56分 3-3(5-3)
57分 ヘーガーOUTゴレツカIN
57分 コエントランOUTマルセロIN
60分 ベンゼマとイスコのコンビネーションはおしくもシュートまでいかず
61分 CKからのこぼれ球をモドリッチがディフレクションするも入らず
63分 安易な形でニュースターダー、ヴァランにボール献上 とても危険
63分 前線のミスで右サイドからチャンスを作るシャルケ
64分 ベイルの突破でアルベロアがフリーでシュート打つもセーブ
66分 交代で出場したモドリッチのライン間で受けるプレーがとても素晴らしい
68分 前線3人が誰も戻らず危険な場面
68分 戻らないが故のカウンター、クロースのミドルはGKセーブ
71分 モドリッチの完璧なプレーでベイルがクロスもブロック(ブーイング)
73分 単独でマルセロ二人突破しクロスも、中にあまり人がおらず
73分 イスコの精力的なカバー
76分 一見数的同位のように見えるもマークがずれてるレアルマドリード
77分 オフサイドもモドリッチの選択肢、視野の広さはレベルが一つ異なる
80分 バネッタOUT内田IN
82分 アルベロアOUTナチョIN
82分 内田、イスコのカットインに反応が遅れて得意のパターンのシュートも枠外
84分 フンテラールがペペの一瞬のミスを振り切ってゴール3-4(5-4)
86分 サネ、ミドルで打つも明らかにフリーランの選手あり、若さゆえ
試合終了
辛くもレアルマドリード、ベスト8出場
総括
レアルマドリードは1stLegとかわらず若干バランスを欠いた形を修正できないまま試合を終えることとなった。シャルケの守備から試合に入るというディマッティオの哲学は功を奏し、ウイングバックは(特に前半)精力的に上下運動を繰り返しチャンスを多く作り出していた。レアルマドリードの攻めもスペースがないなりにポジションチェンジや個人能力を生かして多くのチャンスを作っていた。1stlegよりもシャルケは少し運に恵まれていた。
チャンピオンズリーグ連覇という難題
チャンピオンズリーグという名前に変わってから10余年。この大会で連覇したチームはありませんが、昨シーズンのプレーを見てもしかしたら連覇するかもと思いました。しかし今季はクロースが新たに加入し、アロンソが退団したこと、モドリッチの長期離脱、ディマリアの退団でイスコやハメスロドリゲスを代わりに据えたという大きな中盤の変化が生まれました。今回の試合は優勝シーズンの中盤のスタメンがすべて入れ替わってましたが、今シーズンは多くをこの中盤で回してきました。
(観戦したのはCLの8試合のみなので微妙な変化はよく分からないです)
サッカーのバランスとインテンシティ
このバランスとインテンシティというのはサッカーを見るうえで最も楽しい部分の一つになると思います。バランスを通年整えることは難しく、必ずシーズンのどこかで谷間ができます。
プレミアリーグでいうとチェルシーはここ1か月パフォーマンスを落としてますが(主にセスク、マティッチの不調)負けないようなサッカーをすることで首位を保っており、リバプールはスアレスが退団、ジェラードの守備能力の限界といったバランスの欠如が10-11月あたり顕著でした
レアルマドリードには強力な前線、ロナウド、ベンゼマ、ベイルの3人を擁しているためこの3人をいかに生かし切るかにかかっています。
が、
この3人本当に守備感覚がなく高いラインを保っているため(ベイルはたまに中盤のラインに参加しますが)、中盤は本当にバランス感覚が求められます。昨シーズンのディマリアの運動量とアロンソ、モドリッチのバランス感覚が合わさっていたのはかなり奇跡に近いバランスであったなと感じました。
今日の試合ではケディラ、クロース、イスコでしたが守備面でのこの面子は一定のレベルを超えると厳しすぎます。
まずは2分
コエントランとイスコがコンビネーションでサイドを崩そうとしますが1st leg同様サイドでボールを狩ろうとするシャルケに囲い込まれます。このシーンでは3つの問題があります。
まず1stlegでは左SBにマルセロが入り徹底的にプレスがかかりにくい場面にロングボールを効果的に供給していましたが、この2nd legでは彼の出番は後半から不在であること。
代役で入ったコエントランがかなり攻撃に偏ったSBでリスク管理があまりにできず、この場面でも狭いスペースでボールを交換しようとし結果的に最悪な形でボールを奪取される最大の原因となったこと。
クロースが明らかにボール奪取されそうな状況でも攻撃のことを考えたポジションに位置していること。
このポジションの人間は散らせることも大事ですが、いなければいけない瞬間に適切な位置に存在することが一番大事だと思います。こういう能力はスタッツに表れにくくタックルやインターセプト、50-50エアバトルの数では一概に計れないです。もちろん正しい位置に存在すればこれらの数字は増加傾向にあると思いますが。これはチェルシーのセスク、日本代表の遠藤も差異はありますが足りない部分だと思います。
39分
フンテラールがフリーでシュートを打ってバーを叩いたシーン。
このシーンこそレアルマドリッドの守備のバランスが崩壊している象徴
右サイドからのシャルケのロングボールの場面。この場面でも致命的なミスが2か所。
ヴァランとペペの位置が遠くなってしまいペペの負担が増えていること。
(ペペは守備範囲が広いのでこれくらいだと全然問題ないですが)
△で囲った部分はフンテラールの周りのエリア、誰もケアできてません。アルベロアは前に行くことは不可能な場面なのでクロースがあと10mポジション下がるべき。
ベイルはなんで歩いてるんですかね。
55分
イスコが急に走ってプレスをしましたが連動してないためただスペースを広げただけの本当によくないプレー。しかしもっとよくないプレーがこれから3秒間で2回おこります。
まずひとつめはクロースが猛スピードでプレスをしようとしていること。プレスする際のもっとも重要な要綱として「2手先までのプレーを完全に予測の範疇にさせる」というのがあると思います。しかしシャルケの27番バネッタは全くのフリーこの選手がどこにパスしようとするか?ドリブルするか?といったことが全く予想できないのでこのプレスは全くの無意味。ということでクロースの判断が間違えであるという点。
1秒後
あれだけフリーであったバネッタではなくコエントランのマークをさっと外し、ボールを受けるヘーガー連動してバネッタは猛奪取。
コエントランは両手を挙げてますがスライディングミスっただけです^^
この場面レアルマドリッドのミスばかりピックアップしていますが最後でまたもペペの守備範囲の広さが光ります。ここでフンテラールに考える時間を与えずタックルまで持っていけるのは本当に素晴らしいです。
レベルの低いプレーヤーならフリーのシュートを許すと思います。
世界基準のプレーヤーならインサイドへのシュートのみ打たれるでしょう
世界最高峰のプレーヤーはシュートすら打たせないです
ペペすごくないですか?
76分
ベンゼマ、イスコが同時にボールホルダーへプレスをかける場面、イスコはなぜマークを捨てたのか。。。。地味にクロース面を取られていてフリーでつながれます。
この場面も綺麗にアタッキングサードでつながれ真ん中22mからフリーで打たれます。正面でしたがとても危険な場面、小さなマークミスが結果として大きな問題を引き起こしています。
84分 フンテラールが決めたシーンの少し前
サネがドリブルを3mした場面。クロースただついて行ってますが外側に誘導した方がよかった場面だと思います、もちろん終盤であるため体力的にきついと思いますが。
結果としてサネにカットインされます。
このあとモドリッチにボールが当たりゴールが生まれます。もちろん不運な場面ですが厳しい見方をすればクロースの守備能力に言及したくなる場面。
カシージャスについて的外れな批判
カシージャスは確かに試合を通しても安定感がなく、ハイボール処理やロングボールの精度が足りないです、正直な話。
しかし今回の1,2点目の弾き方であったり反応を批判するのはこの試合では明らかに間違え。もっと根本的なチームとしてのミスが多く、GKを変えても守備の安定をそれほどはもたらさないと思います。
ペペは圧倒的ワールドクラス
今日の試合フンテラールの最後のゴールでのアプローチを除いては完璧なパフォーマンスでした。この選手顔と行動のせいで勘違いされてますが間違いなく5指にはいるCBです。これだけすべての面で強いCBは他にいないです。ディフェンスリーダとしての資質、ポジションを放棄してより危険な場面を察知する判断力、空中戦での圧倒的な対人力、この部分はワールドクラス。CBとしてのボールの持ち運び、スピードが付いた選手に対するアプローチには若干のミスがありますがそれでも準ワールドクラス。この選手に加えてセルヒオラモスが相方というのはCBというのはほぼ反則。この2人の守備範囲の広さが前線の怠慢な守備を支えている印象。ヴァランは優秀なDFになるとおもいますがカバー範囲の広さ、適切なポジショニング能力はまだスタメンに入れられるほどのものはありません。配給能力はかなり高いと思いますが。
まとめ
クロースの悪口散々かいてますが攻撃に関する長短のパスについてはすばらしいものがあります。もちろんバランスを見つけられていない現在は意見が分かれると思いますが、モドリッチのポジショニングとパスセンスは優れているので彼を中心に中盤を構成できたらまた調子を戻していくと思います。