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サッカーを視る

主にCLやビッグマッチについて。リーグ戦はEPLが中心

EURO2016-E2-ITA.vs.SWE

EURO2016-グループE2-イタリアvsスウェーデン

 

まずはスタメンから

青がイタリア黄がスウェーデン(Fig.1)

 

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Fig.1 イタリアvsスウェーデン

 

イタリアは1試合目と同じで3バック。変更点はLWBのダルミアンをフロレンツィに変えたのみ。

チームとしてかなり機能していたのでおそらく戦術に変更はあまりないだろう。ベルギー戦は守備からだったが、スウェーデン戦は攻撃重視になる可能性が高いのでフロレンツィに変更したのかな?と考えているが、真実は分からない。

 

スウェーデンアイルランド戦と比べて3人変えてきた。

怪我をしているルスティグ⇔ヨハンソン、中盤のレビキ⇔エクダール、トップのベリ⇔グイデッティと変更する。

ルスティグは怪我だが、レビキ、ベリはアイルランド戦のパフォーマンスがひどかったからだろう。

 

試合の概要

試合は1-0でイタリアの勝利で終える。87分にキエッリーニからのスローインをザザが落としエデルが決める。イタリアは失点をしないことを第一としていたため一見塩試合に見えたが、イタリアの守備に注目すれば決して退屈しない試合。

 

 

1. 両チームの状況

イタリアは勝ち点1以上でグループリーグ突破確定、スウェーデンは勝利で突破確定する。

 

したがってイタリアは失点しないようなサッカーをする。

 スウェーデンについてはこの試合を引き分けで終えてしまうと勝ち点2となる。

グループリーグ突破確定のボーダーラインは勝ち点4であることから、あまり守備的なサッカーにはならないことが予想される。

 

2. スウェーデンのビルドアップ、イタリアの前線からの守備

スウェーデンアイルランド戦でうまくビルドアップすることができなかった。

理由は複数存在すると思うが、最終ラインに安定したパス回しできる選手がいないこと。シェルストレームもビルドアップに絡むがプレスされるとプレーが消極的になってしまう傾向があるというのが大きな要因だと思う。

 

イタリアはベルギー戦では積極的にはハイプレスを行わなかったが、この試合ではビルドアップ妨害を頻繁に行う。

 

ひとつはスウェーデンゴールキックにおけるイタリアの前線のプレッシャーのかけ方

(Fig.2)

 

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Fig.2 スウェーデンゴールキック時のイタリアの前線のポジション

 

ベルギーのゴールキックはロングボールを蹴ると決めていたようで、CBはセンターライン付近まで上がる。[ベルギーvsイタリア](Fig.3)

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Fig.3 ベルギーのゴールキック時のイタリアの前線のポジション

 

Fig.2, Fig.3を見比べればわかるが、スウェーデンは自陣からでもボールを回したがるが、イタリアの前線はそれを許さなかった。

 

仮にGKがスローインでボールをつなごうとすると・・・(Fig.4)

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Fig.4 ゴールスローからのイタリアの守備

 

2トップがCBを、SBをパローロ、ジャッケリーニがマーク

さらにシェルストレームもしくはエクダールに対してデロッシがマークする

結局こういう状況になった時イタリアのプレスを剥がせるほどビルドアップ能力が高くないスウェーデンは確率の低いロングボールを蹴り続けることになる。

 

ふたつめはスウェーデンのビルドアップに対するイタリアのポジショニングと強度

 

トランジションなどで前線からプレスをかけることができないことは試合中に何度でもある。ハーフライン付近でスウェーデンの最終ラインがゲームメイクを行う時にはイタリアの守備は以下のような形になる。(Fig.5)

 

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Fig.5 イタリアのゲームメイク妨害(ジャッケリーニ側)

 

基本的にイタリアの2トップはサイドからゲームメイクさせるようにポジションを調整する。そしてSBや下がってきた中盤にプレスをかけていく。

この守り方はベルギー戦と同様でかなり効果的だった。

 

多分この守備をかいくぐるためにはデロッシが担当するエリアでボールを受けられるかどうかにかかってると思うが、スウェーデンにはこの位置にボールを出せる選手がいなかったため、効果的に攻めることができなかった。(Fig.6,7)

 

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Fig.6 ジャッケリーニ側に追い込んだ例

 

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Fig.7 パローロ側に追い込んだ例

 

デロッシの守備エリアにパスを通してくるチームであればこの守備を破壊することができるはずなので、そういったチーム(スペイン、ドイツ、ハンガリーポルトガルなど)との対戦は個人的に興味深い

 

こんな感じでスウェーデンはビルドアップでもゲームメイクでも非常に苦労する。

 

スウェーデンはたまにボールを前に進めることができるが、イタリアの最終ラインは抜群の安定感でエアバトルを制する。(Fig.8)

 

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Fig.8 スウェーデンのクロスの成否

 

Fig.8をみると、セットピースにおいても、オープンプレーにおけるクロスに対してほぼすべて勝ちきっていることがわかる。

 

ここらへんの差がアイルランドの最終ラインとクオリティが全く違う部分だった。

 

ちなみにスウェーデンアイルランド戦もイタリア戦も枠内シュートは0。シュートが枠に飛ばないというよりオフェンス全般に問題があったのは明らかだった。

唯一イタリアが失点仕掛けたシーンは71m40(5-10)のみ

ただしこのプレーはオフサイドだったのでチャンスというと少し語弊があるが・・・

 

 

 

3. イタリアのビルドアップ、スウェーデンの前線からの守備

イタリアはゴールキックから短くボールをつないでいく。

この時のポジショニングはベルギー戦と一緒なので割愛

come-on-utd.hateblo.jp

 

イタリアにとってボヌッチキエッリーニバルザーリがビルドアップしながらロングボールを蹴る形が最もスタンダード。

 

スウェーデンの前線はアイルランド戦と同様にあまり運動量がない。

プレス開始ラインはハーフライン付近ということ、イタリアのビルドアップに関与する人数が4人(キエッリーニボヌッチバルザーリデロッシ)+ブッフォンなので前線で捕まえることはできない。


この時ウイングバックが高いポジションにいるため、イタリアはビルドアップを終えるとロングボールを前線に放り込んでいく(Fig.9)

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Fig.9 イタリアのゲームメイク

 

イタリアは意図的に中盤にあまり選手を置かない。

だからこそ最終ラインのビルドアップでも数的優位を保てるし、前線でも人数を確保できる。

 

もしサイドハーフラーションやフォルスベリが最終ラインに溶け込むようなことがあれば、ジャッケリーニとパローロは中盤でフリーになることができる。

 

イタリアの攻撃のリズムを崩すためには前線が積極的に守備をすることが大事だと思うが、スウェーデンはそういうことはしなかった。

 

イタリアのチャンス

48m10(17-9)

60m50(18-23PK?)

81m40(23-18)

87m40(7-17)Goal

89m40(10-6)

 

イタリアのチャンスは決して多くなかったし質も高いわけではなかったが、勝ち点1以上を取るという意味では最高の出来だった。

 

ジャッケリーニは80分を超えても運動量が落ちず調子の良さがうかがえた。

 

87分にキエッリーニからのロングスローをザザが落とし、エデルが決める。正直勝ち点1でも十分だったが、最後の最後にご褒美が来たという感じ。

このまま試合は終了でイタリアは勝ち点6、スウェーデンは勝ち点1。

 

コンテは結構フィジカルが強い選手を活かすのがうまく、ペッレやジャッケリーニを完璧に使いこなしている。そういう意味ではフィジカル面で優秀な選手が集まりやすいプレミアリーグで成功をおさめそうな気がする。

 

もちろん最終ラインのビルドアップ能力が必須なのでここを強化できるかが非常に重要なポイントとなるが、2~3シーズンの間にチェルシーはCLでまたベスト4常連になると思う。

 

4. イタリアの懸念材料

EURO2016は決勝トーナメントのベスト8の試合終了までイエローカードが累積する。したがってイエローカードの累積はイタリアにとって少し懸念材料。

 

2試合終了時点で、ブッフォンキエッリーニボヌッチデロッシ、チアゴモッタ、エデルがイエロー累積1枚という状態。

グループリーグ3戦目はリザーブメンバーで挑む可能性が高いが、少なくともベスト16, ベスト8の2試合でカードをもらわずゲームを進めることは難しいかもしれない。

 

余談

地味な試合だったかもしれませんが、イタリアの強さは結束力にありといった感じのサッカー。個人的には好きなタイプのチーム。

 

2016-2017シーズンのUCLのグループリーグベストイレブンが最近発表されたが、その中にスウェーデンのリンデロフが入っていた(ベンフィカ所属)。

2試合見る感じだと全然そういった兆候は見えないが、どうなんだろう?

先の話になってしまうが、UEFA CL(2016-2017)もEURO2016が終わり次第やっていくのでそのときに多分わかるはず。