2014-2015 EPL-27th Liverpool vs ManchesterCity
この試合はプレミアリーグの魅力とチャンピオンズリーグでなぜ勝ちあがれないのか凝集されていた気がしたので取り上げてみました。
バックヤードに軽く触れておきます。
まずは
ホームのリバプール
3バックに変えてから破竹の勢い。このシステムで何回かはリーグ戦で試しましたが、ジェラードを中盤の底に据える方法をとっていたため守備で非常に危険な場面が散見されました。
特に16節アウェイのマンチェスターユナイテッド戦では特に中盤のジェラード、サイドのモレノ、コウチーニョのプレスやボール回収位置などが徹底できずサイドから多くのチャンスを作られ3-0で敗北しました。この時の中盤の底はアレンとジェラードでした。
続く17節ホームでのアーセナル戦ではルーカスを起用することでミドルサードの守備は向上し、この試合の前半はかなり強度が高かったことを記憶しています。(残念ながら引き分けでしたが)
この試合あたりからマルコビッチはサイドバックでもサイドミッドフィルダーでもウイングでもなくウイングバックであることが試合見ていると分かってきました。
またキャンはとてもユーティリティ性があり現在CBとして使われていますが、ドリブル、空中戦も力強く、CBとしてのパス能力はリーグの水準を超えてると思います。(当然若さゆえのタックル、ポジションミス、終盤でリスキーなプレーをしてしまったりと細かいミスはありますが)
若さの台頭(他にもスターリング、ヘンダーソン、アイブ、ララーナ、コウチーニョ、モレノも印象的)によって16節から28節終了時点まで13試合全てで3バックで戦い勝ち点30ポイント稼いでます。
対して
マンチェスターシティ
基本の形は4-4-2
フォワードにはアグエロとゼコ(ボニー、ヨベティッチ)。
中盤にはシルバ、ナスリ(ミルナー、ヘススナバス)。
底にはヤヤ、フェルナンジーニョ(フェルナンド)。
ディフェンスには右からサバレタ、コンパニ、マンガラ(デミチェリス)、クリシー(コラロフ)
表記上4-4-2ですが4-2-2-2のようなかんじです。攻めの起点の中心はシルバ、ヤヤですがナスリも特にシルバのサポート役として使われておりサイドからの崩しによくかかわってきます。
直近のプレミアリーグの試合がニューカッスル相手に5-0それも前半30分までに3点リード、とても参考にできる試合ではなかったですが、CLの16ラウンド、バルセロナ戦でも同様の形で試合に臨み1-2でホームでの敗戦。カンプノウでは最低2点入れないと勝てません。おそらくリーガを見ている人にとってあれだけバルセロナにスペースを与えるチームが存在したことに驚いたと思います。
ハイライト
2分 いいターンで前をむくゼコからアグエロのパスはオフサイド
5分 ララーナ、スターリングの鬼プレス
7分 ヤヤの鬼視野が光るパス
8分 アレン、ドリブルでうまくコウチーニョ、スターリングとつなぎチャンス演出
9分 オフサイドになるもララーナスーパーゴール未遂
9分 マンガラへの執拗なチェイスからボール奪取、一つの回収点に
10分 コンパニのクリアミスからヘンダーソンのゴール1-0
12分 シルバの鬼パスに反応したアグエロがポスト直撃
12分 中央28m付近で前を向くと即ミドルシュートをうつコウチーニョ好調さが顕著
19分 コウチーニョのワンタッチとスターリングのコンビネーションでチャンス未遂
20分 キャンのさりげないカバーが光る
21分 モレノとサバレタの1on1からインサイドに抜けるもシュートは枠外
22分 コウチーニョ、アウトサイドパスからチャンス演出
24分 あり得ない視野でシルバにパスをだすヤヤ
24分 アグエロのアシストでゼコが同点ゴール1-1
27分 スターリングのすばらしいタックル
30分 ロブレンのパスミスからフェルナンジーニョインターセプトするも続かず
33分 ヤヤからの素晴らしいパスでチャンスメイク未遂
34分 素晴らしいララーナの飛び出しをチャンスメイクするマルコビッチ
35分 スターリングのポストでボール死守
40分 ヤヤがまたしてもゼコの飛び出しを見つける
41分 コンパニ回収してからいいパスを供給するもオフサイド
42分 モレノまたしてもサバレタをかわし、コウチーニョロングシュートは正面
43分 サバレタ、ロブレンにエリア内で倒されるも笛ならず
45分 コウチーニョの視野の広さとララーナの動きだしが完璧にマッチしチャンスに
45分 シルバ、サバレタ間でうまくアタッキングサードで前を向くもつながらず
後半
46分 ヤヤからアグエロへの鬼パス 素晴らしすぎる
48分 アレンの縦パスからララーナいい形だがコンパニナイスディフェンス
49分 コラロフ1on1でマルコビッチに完勝
49分 コウチーニョ、モレノからのパスをワンタッチで前へチャンス未遂
53分 ララーナ、オフサイドだが可能性を感じるプレー
54分 フェルナンジーニョをかわし、コウチーニョまたしても前線への危険な形
55分 スターリングのポストプレーからコウチーニョのアイデアが光るもつながらず
56分 コウチーニョの綺麗なターンでナスリ、イエロー
57分 ゼコOUTミルナーIN
この時間帯から徐々にリバプールは前線のDFができなくなる
61分 コラロフ、マルコビッチ躱すもクロスがゴミ
63分 シュクルテル、ララーナにいいパスが出る なぜそこが通るのか
64分 ヘンダーソン、モレノへの素晴らしすぎるパスはわずかに合わず
65分 短時間で2回パスミスするコンパニやはり不調か
68分 ナスリ、サイドからサバレタとのコンビで抜け出すもクロスはブロック
74分 ヘンダーソン、シルバのマークを一瞬外しチャンスメイク未遂
74分 左サイドから振りぬいたコウチーニョのシュートは完璧な起動でゴール2-1
75分 マルコビッチOUTスタリッジIN
76分 ララーナのスライディングは完璧
78分 シルバ、コウチーニョをかわしチャンス未遂
81分 モレノOUTコロトゥーレIN
81分 ナスリOUTランパードIN
82分 ミルナーの体張ったプレーでララーナイエロー
83分 体力満タンのキャン、ドリブルでなぜか仕掛ける
84分 ヤヤのボールをヘンダーソンがカットしコウチーニョのシュートはミートせず
85分 ボニー競り合いでイエロー
86分 ヤヤのボールをヘンダーソンアタックしスターリングがおしいシュート
89分 アレン、コウチーニョが簡単に抜かれシルバとても惜しいシュートも枠外
92分 アグエロ、シルバとのワンツーもシュートはミートせず
試合終了
これみたら明らかなんですけど本当にコウチーニョに自由にプレーさせるのは危険だということがわかる試合でしたね。
個人的にデータ頼らず数えましたがチャンスの数的には14 vs 6でした。
(チャンスの定義は人によって異なるので集計結果は参考程度で)
チャンスの数通りの結果が出たという感じですね。
しかし見応え?のある試合でした。1分に1回は面白い場面がありました。これでも削りました。
いくつか面白い点を紹介したいと思います。
8分 アレン、ドリブルでうまくコウチーニョ、スターリングとつなぎチャンス演出
アレンに対して簡単に足を出して躱されるシルバ、こういう守備はほんとによくないと思います。
そのために一瞬釣り出されてしまったフェルナンジーニョのスペースを利用してコウチーニョフリーで受ける。それと同時にスターリングがコンパニの裏を走る。マンガラが手前側に少しつられます。
コウチーニョ前をむくとなぜかララーナがフリーで走っている。あと少しでゴールにつながったシーンでした。この部分だけでみればマンガラのミスですし、当然攻められるプレーですがシルバとフェルナンジーニョのディフェンスがチープすぎてそちらの方に目が行ってしまいました。
続いて
24分 あり得ない視野でシルバにパスをだすヤヤ
24分 アグエロのアシストでゼコが同点ゴール1-1
ヤヤがボールを持ってるのですが2トップであるためアグエロ、ゼコについてるキャン、シュクルテル、ロブレンはあまり前には出たくないです、中盤のライン(特にヘンダーソンは誰を見てるのでしょうか)は前がかりすぎてスペースが広大。シルバは自分がボールをもらえるべき位置を見つけたようでキャンの前から走っています。
このパスを最高のワンタッチでプレーしゴールまでつなげました。アグエロもゼコへのパスは見事ですがこのプレーすごい驚きました。ヤヤにはカメラと同じような視点が見えているのでしょうか?スペースを一瞬で見つけ出す能力はさすがのシルバですがヤヤのこれほんとにいつ確認したのか謎です。
48分 アレンの縦パスからララーナいい形だがコンパニナイスディフェンス
アレンがボール持ってます。なぜかララーナ(20)がフリーになっていますが別にアクションを起こしたわけではなくヤヤの空いたスペースに立ってただけです。この後前むいてコンパニとの1on1で綺麗に回収されます。
コンパニ不調ですがこれだけスピードつけたアタッカーに前むかれることを何回も行われるのは少々酷です。
54分 フェルナンジーニョをかわし、コウチーニョまたしても前線への危険な形
の直前
審判の一番近くにいるのがコウチーニョですが、なぜかフリー。このあとフェルナンジーニョがあり得ない軽さで躱され、コウチーニョはパス出すもマンガラに引っかかります。中盤の守備とは・・・・
64分 ヘンダーソン、モレノへの素晴らしすぎるパスはわずかに合わず
ヘンダーソン、モレノの飛び出しに気づき即ロングボール態勢に。サバレタ完全に抜かれますが少しずれたためゴールならず。ヘンダーソンは視野の広さが世界基準に達しはじめています。
78分 シルバ、コウチーニョをかわしチャンス未遂
コウチーニョ完全に疲れておりシルバにあっさり抜かれる。アグエロのチャンスにつながる大事な場面。このサッカーはインテンシティがとても重要なサッカーであるため、75分超えたあたりから急激に選手のミスが目立ち始めました。
89分 アレン、コウチーニョが簡単に抜かれシルバとても惜しいシュートも枠外
アレンが簡単に前を向かれララーナもさすがに疲れが見えてきた場面ララーナはファールしない方がいいと思ったためか足ひっこめますが、このあとのシルバのシュートシーンは3試合に1回は普通にはいってたと思います。
この試合チャンスも多くとくに好調なコウチーニョのプレーは観客を何度も沸かせました。
が
この試合リバプールが勝ちに値する試合を見せましたが、中盤の守備の致命的なミスは何回かあり、同点もありえました。特に75分以降は危険なシーンばかり。。。
一つの問題点としてけが人が多く、ベンチにいたのはキーパーを除いてバロテッリ、コロ、ボリーニ、ランバート、ウイリアムス(19歳のDFらしい)これで中盤の疲労をどうにかするのは難しいですね。
シティは中盤2人とDF陣4人への守備の負担が大きすぎます。どのチームに対してもディティールは多少の変化は見られますが、ナスリ、シルバ、アグエロ、ゼコ、ヤヤの守備が残念である場面と相手の好プレーが重なれば即チャンスになる状況が多く、少なくともCLなどのレベル高いカップ戦ではこの方法では勝ちあがれないだろうと感じました。
リバプールもいい選手がそろっているが運動量多い選手が控えに多いわけではないのでベンチワークであったり、試合を殺す方法がいまいち見つかってないのがつらいところ。