EURO2016-Round.of.16-HUN.vs.BEL
EURO2016-Round.of.16-ハンガリーvsベルギー
まずはスタメンから
赤がハンガリー、白がベルギー(Fig.1)
Fig.1 ハンガリーvsベルギー
ハンガリーは直前練習でクラインハイスラーが負傷したため、中盤の構成が変化している。攻撃におけるキーマンを欠いているのは事実だが、グループリーグで見せてきた最終ラインからのボール奪取や高い位置からのプレスがなくなるわけではない。
ベルギーもグループリーグからはほとんどスタメンをいじっていないが、右ウイングを担当するメルテンスは今大会初スタメン。今大会では途中出場が多かったが調子がいい感じだった。フォーメーションはいつも通りの4-2-3-1。
試合の概要
試合は0-4でベルギーの勝利で終える。9分のデブライネのFKからアルデルヴァイレルドがヘディングで先制する。77分にアザールのクロスからバチュアイが、78分にデブライネからアザールが、90分にナインゴランからカラスコがそれぞれ決める。試合としては基本的にハンガリーがボール保持するが、うまくチャンスメイクができない展開が続き、ベルギーがカウンターでチャンスを作り続けた。内容も結果もベルギーの圧勝だったが、ハンガリーとベルギーの相性がもともと非常に悪かった。
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EURO2016-Round.of.16-GER.vs.SVK
EURO2016-Round.of.16-ドイツvsスロバキア
まずはスタメンから。
白がドイツ、青がスロバキア(Fig.1)
Fig.1 ドイツvsスロバキア
ドイツは3節北アイルランド戦のメンバーと同じ4-2-3-1。グループリーグの間にトップをM.ゲッツェからM.ゴメス、ヘヴェデスからキミッヒに変更する。変更点はいずれも攻撃にブレーキをかけてしまった選手だが、北アイルランド戦で好プレーを見せたキミッヒ、M.ゴメスがそのままスタメンを勝ち取る。
スロバキアはグループリーグは突破したもののスタメンはあまり固定されていない。シュクリニアル、ギョンベルは初スタメンで、ジュリシュも初戦のウェールズ戦ぶりのスタメンである。4-1-4-1というシステムは変化しないが、ハムシクの出来次第というチームである。
試合の概要
試合は3-0でドイツの勝利で終える。7分にCKのこぼれ球をJ.ボアテングがミドルシュートで決めてドイツが先制する。その5分後にはエリア内でM.ゴメスが倒されてPKを獲得するがエジルのシュートはコザーチクがストップする。しかし42分にエジルの完璧なゲームメイクからドラクスラーのクロスをM.ゴメスが押し込んで2点差とする。後半にはいってから62分にドラクスラーがハーフボレーで決める。常にドイツがハーフコートに押し込んで試合を展開することになるが、引きこもったスロバキアに対してもかなり多くのチャンスをつくっており、3点差は妥当だった。
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EURO2016-Round.of.16-FRA.vs.IRL
EURO2016-Round.of.16-フランスvsアイルランド
まずはスタメンから。
青がフランス、白がアイルランド(Fig.1)
Fig.1 フランスvsアイルランド
フランスは4-2-3-1や4-3-3などいろいろな選手、布陣を試したが、結局ルーマニア戦で使用した4-3-3に回帰した。
メンバーも初戦と同じである。
アイルランドは3節イタリア戦で勝利したメンバーを多く投入してきた。
GKのランドロフ、SBのコールマン、MFのマッカーシー、ヘンドリック、ブラディー、FWのS.ロングは全試合で先発しているが、フーラハンやウォルタースなど高齢の選手は外され、よりフィジカル重視のマーフィー、マクリーンが投入された理由はイタリア戦の出来を見ていればすんなりと納得できる。
試合の概要
試合はフランスが2-1で逆転勝利で終える。1点目は開始1分にアイルランドのS.ロングがPKを獲得し、ブラディーが決める。しかし56分にはサニャのクロスからグリーズマンのヘディング、60分にはジルーのポストプレーからグリーズマンのシュートという形で後半開始直後にあっさりと逆転する。試合は基本的にフランスがボールを保持するが、前半はビルドアップに多くの人数を割いてしまいチャンスの数は多いものの、質は最高とは言えなかった。しかし後半には2センターへと変更することですべての攻撃のグレードを上昇させ、チャンスの数、質ともに申し分ない出来だった。
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EURO2016-Round.of.16-CRO.vs.POR
EURO2016-Round.of.16-クロアチアvsポルトガル
まずはスタメンから
クロアチアは中三日での試合。
ただしビダ、ストリニッチ、モドリッチ、ブロゾビッチ、マンジュキッチはグループリーグ3節を休んでいるので、コンディションという面ではかなり整っている。
スタメンは1節、2節と同じで4-2-3-1。ビルドアップはモドリッチを中心に、守備は1列目の運動量を生かした4-4-2、カウンターおよびチャンスメイクでは好調のペリシッチが牽引しており、ベスト4にいってもおかしくない完成度。
ポルトガルは中二日での試合。
3節で休んでいたR.ゲレイロが復帰し、R.カルバーリョ、ヴィエリーニャ、モウチーニョをそれぞれフォンテ、ソアレス、A.シルバに変更した。
おそらく連戦日程によるコンディション不良が変更した理由だと思うが、いずれの選手も本大会で初めての出場となる。ただしフォーメーションは4-3-1-2で従来のポルトガルと同じである。
試合の概要
試合は0-1でポルトガルの勝利で終える。試合は90分で決着がつかず、115分のポルトガルのロングカウンターからR.クアレスマが押し込む。この試合はたしかに塩試合だったが、決してつまらない部分はなく、とても面白い1戦だった。基本的にクロアチアがボールを保持する展開になるが、クロアチアのビルドアップ、ゲームメイクを封じるポルトガルの策はR.サンチェスの投入タイミングを含めて嵌っていた。ただし、クロアチアも多様な攻撃方法を持っており、ポルトガルも完全には守れていなかったため、勝敗の差は少しの運だったとしかいえない。それくらい両者は均衡していた。
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EURO2016-Round.of.16-WAL.vs.NIR
EURO2016-Round.of.16 ウェールズvs北アイルランド
まずはスタメンから
ウェールズはいずれの試合も3バックで臨んでいる。
一方で前線のベイルの相方は定まっておらず、ヴォークス、J.ウイリアムス、ヴォークスが相方の候補である。この試合はヴォークスが先発を勝ち取る。
北アイルランドは3バック、4バックを可変的に使うことができる。
亀のように自陣でひきこもることもあれば、ハイプレスでボールを奪いに来たりと、試合によって見せる表情が異なる。このチームを統率するのはマイケルオニール監督であり、試合の展開を予測および対策するのに長けていると思っている。
試合の概要
試合は1-0でウェールズの勝利で終える。得点は74分、ベイルのクロスを北アイルランドのマコーリーがオウンゴールしてしまい先制する。試合内容にかぎっていえばRound.of.16の8試合の中で一番つまらなかった試合だったといえる。いずれのチームもビルドアップを苦手としており、ロングボールが飛び交う試合となる。ただし北アイルランドの前線からの守備はよく準備されており、この試合の唯一の注目ポイント。
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EURO2016-Round.of.16-SWI.vs.POL
EURO2016-Round.of.16-スイスvsポーランド
まずはスタメンから
赤がスイス、白がポーランド(Fig.1)
01
Fig.1 スイスvsポーランド
スイスは今までと同じスタメンで、4-2-3-1を基本としている。
ボールを保持した状態から攻撃するサッカーを得意としており、特にジャカを起点としたビルドアップ、ゲームメイクとサイドバックが高い位置まで攻撃参加することがこのチームの持ち味。一方で守備に少し難を抱えている。
というのも前線の4人は高い位置からプレスを行うが、ジャカ、ベーラミの守備能力は高いわけではなく、ジュルー、シャーも対面するフォワードの裏抜けを完璧に抑えられるほどスピードがないため、アルバニアやルーマニア戦でも危うい部分があった。
ポーランドも今までと同じスタメンで4-4-2を基本としている。
ボールを保持した時の攻撃は北アイルランド戦からもわかるようにあまりよくなかったが、ハーフコートでの守備の硬さはおそらく大会でも1位、2位を争うほどである。さらに前線4人がロングカウンターを行う上で重要なパワーとスピードを兼ね備えていること、クリホビアクがカウンターの基点になるような守備とパスを備えていることがこのチームの最大の強みである。
試合の概要
試合は120分で1-1で引き分けでPKを制したポーランドの勝利で終える。38分にポーランドのグロシツキがドリブル突破し、逆サイドのブワシュコフスキがクロスに合わせて先制する。その後81分にリヒトシュタイナーのクロスがはじかれ、こぼれ球をシャキリがオーバーヘッドで同点にする。1sthalfはポーランドの守備、ロングカウンターが炸裂していたが、時間がたつにつれてスイスが優勢になっていき、2ndhalf, 延長戦はかなりチャンスを作っていた。ポーランドは後半以降かなりおとなしくなってしまったが、中5日のスイスと中3日のポーランドのチーム同士の対決というのが問題だったのかもしれない。
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EURO2016-F3-HUN.vs.POR
EURO2016-グループF3-ハンガリvsポルトガル
まずはスタメンから
ハンガリーはこの試合で3選手をチェンジする。
グループリーグで活躍していたカーダール、ナジュ、クラインハイスラーをそれぞれ、コルフト、ピンテール、エレクに変更。ハンガリーは前2試合の結果で勝ち点4をすでに得ているので、この試合は無理をする必要がない。例えばイエローカードをすでに1枚累積させているカーダール、ナジュ、クラインハイスラーはこの試合に出すメリットがあまりないということ。
前情報からR.ゲレイロは太ももを怪我しているようなので、この変更は戦術的なものではないだろう。構成はいつもどおりの4-3-1-2。
試合の概要
試合は3-3で引き分けで終える。18分にコーナーキックからのこぼれ球をゲラが豪快なミドルシュートで先制する。43分にはC.ロナウドからのパスをナニが決めて同点とする。その後は47分、55分にジュジャクが決めて、50分、62分にC.ロナウドが決める。ポルトガルがボールを持つ展開が多く、ハンガリーのビルドアップもポルトガルに完全に妨害されチャンス数は少なかったにも関わらず、ゴラッソで1点、ディフレクションから2点とっている。内容自体はポルトガルの優勢だったがオーストリア戦に続き、勝ちきれない試合が続く。
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